今や100円ショップの食器コーナーは、単なる安売り場ではない。特にダイソーやセリアが手掛ける豆皿のラインナップは、専門店の棚と見紛うほどの完成度に達している。業界内で立ち上がった「100均和食器2026トレンドプロジェクト」の動向を追いかけると、今年のトレンドは「手触り感」と「伝統意匠のモダン昇華」に集約されることが分かってきた。
これまでのツルリとした均一な磁器から一歩進み、土物の温もりを感じさせるマットな釉薬(ゆうやく)や、あえて歪みを持たせた手ひねり風の造形が主流となっている。菊の花を模した「菊割」、縁起の良い「ひょうたん型」、洗練された「八角皿」など、隠れた名作が100円で手に入る事実は驚きを禁じ得ない。手のひらに収まる小さな器の中に、職人技のエッセンスが凝縮されているのだ。