時計の針を2004年の初夏へと戻そう。都内の密室感あふれるバーで捉えられたスクープ写真は、発売と同時に全国の書店やコンビニの店頭を飾った。ロック界のレジェンドであり、すでに家庭を持っていたアーティストと、当時から浮世離れした美しさと自由な生き様で知られた女優。二人の距離感があまりにも近やかだったことから、メディアの追及は苛烈を極めた。
当時のワイドショーは朝から夕方までこの話題を繰り返し放送し、リポーターたちは関係者の自宅や所属事務所へと殺到した。デジタルカメラと紙媒体がまだ圧倒的な影響力を持っていた時代だ。スクープ写真の一コマ一コマが拡大解釈され、連日のように新証言や過激な見出しが踊った。世間は好奇心と野次馬根性でその一部始終を貪り食ったのである。