スコアレスで折り返した後半、ピッチの潮目を変えたのはベンチの決断だった。川崎Fの指揮官はハーフタイムにポジションの微修正を行い、両サイドバックの位置を一段高く設定。幅広くピッチを使うことで、柏のコンパクトな守備陣形を外側から揺さぶり始めた。
この戦術変更がすぐさま実を結ぶ。後半18分、サイドの崩しから中央へ送られた鋭いグラウンダーのクロス。飛び込んだのは今季躍進を遂げているストライカーだった。一瞬の隙を突いた見事な合わせでネットを揺らし、スタジアムは大歓声の渦に巻き込まれた。土壇場での柔軟な修正力と個の勝負強さが、均衡を破る決定打となった。