SNSで料理写真を投稿する文化は成熟期を迎えた。どこかで見たような均一な皿ではなく、「自分だけの1枚」に料理を盛り付けることが最高の贅沢と捉えられている。器は単なる食器の枠を超え、個人のアイデンティティを表現するキャンバスとなった。
東京・渋谷でセレクトショップを営む店主は「数年前までは『丈夫で洗うのが楽なもの』を探す客が多かったが、今は『手触りが少しザラついているもの』や『色ムラが美しいもの』を指名買いする人が増えた」と証言する。大量消費社会への疲弊と反動が、手仕事のぬくもりにスポットライトを浴びせている。