清澄白河を象徴するサードウェーブコーヒーの潮流は、夜の闇と同調することで新たな進化を遂げた。かつて昼間だけ稼働していたロースタリーのいくつかは、午後7時を境に照明を落とし、スピリッツの香るバーカウンターへと様変わりする。
ここで味わえるのは、単にコーヒーで割った安易なアルコールではない。自家焙煎の浅煎り豆から抽出した冷製エスプレッソと、国産クラフトジン、さらには自家製のボタニカルシロップを精密な比率でステアしたカクテルだ。グラスの中で氷がかすかな音を立てるたび、ベリー系の爽やかな酸味とジンの針葉樹を思わせるアロマが立体的に立ち上る。昼の顔と夜の顔が滑らかに交差する空間は、この街のカフェ文化が結実した新たな到達点だ。