インターネット上の掲示板やSNSでは、「世界大学ランキングで東大が中国・シンガポールの大学に抜かれたから東大は終わった」といった極論が散見されます。しかし、こうした言説はランキングの評価アルゴリズムに対する初歩的な誤解に基づいています。
東大ランキング海外の反応を米欧の高等教育専門誌などから拾い上げると、海外の研究者コミュニティが東大を見る目は決して低くありません。「ノーベル賞受賞者をコンスタントに輩出する基礎学力基盤」「莫大な過去の学術蓄積」「精緻な実験を可能にする充実した研究設備」に対するリスペクトは極めて強固です。
海外のアカデミアが指摘する真の課題は、大学の質そのものではなく、「日本の高等教育市場の閉鎖性」です。授業や論文執筆の多くが日本語で行われること、終身雇用的な教員人事の慣習が残ること、そして英米圏のような巨額の寄付金ファンドの運用規模に差があることが、指標上のスコアを押し下げているに過ぎません。数字の表面だけをなぞった「学力低下論」は、現場の実態を反映していない的外れな見方と言えます。