神戸の港町を一望する高台「ジェームス山」。その名の由来となったアーネスト・ウイリアムス・ジェームスは、大正から昭和初期にかけて神戸の貿易界で一世を風靡した人物だ。彼がこの塩屋の地に求めたのは、単なる個人別荘ではなく、外国人居留者たちが安心して暮らせる「理想郷」の開発だった。
約1万坪におよぶ広大な敷地に建てられたこの邸宅は、当時としては最先端のエレベーターや温水暖房を備え、船の往来を一眼で見渡せる絶景のロケーションを誇っていた。瀬戸内海の穏やかな気候と、緑豊かな丘陵地帯。ジェームス氏がひと目惚れしたこの景観は、2026年を迎えた現在も変わることなく訪れる者を魅了している。