茨城県は日本屈指の農業県だ。しかし、台風の襲来時期は、主要作物であるコメ(水稲)の収穫期や、全国的なブランドを誇る「恵水」「幸水」などの梨、さらには納豆の原料となる大豆の生育期と無情にも重なる。暴風によって果実が落果し、大雨によって水田が冠水すれば、農家が1年間かけて注ぎ込んできた努力が一瞬で無に帰してしまう。
こうした脅威に対し、県内の先進的農家では最新のテクノロジーと迅速な事前対策を組み合わせた防御策を講じている。強風対策として園地全体を覆う防風網の張替えを早期に行うほか、排水路の事前泥上げ、水門の開閉管理を自動化するIoTシステムの導入が進む。また、台風通過直後の殺菌剤散布や被害作物の早期出荷判断など、損害を最小限にとどめるための「事後復旧スピード」も年々進化を遂げている。