しかし、この熱狂の裏側には法的な壁も立ち塞がっている。半世紀近く前の出版物の多くは、出版社が既に廃業していたり、権利保有者と連絡が取れない「孤立著作物(オーファンワークス)」であることが多い。文化的な価値を認め、デジタル空間で永久保存を目指す研究者やアーキビストの情熱と、厳格な著作権法やプラットフォームのコンテンツ規制との間で、絶え間ない摩擦が生じている。
デジタル化によって広くアクセスを可能にすべきか、それとも限定的な収集にとどめるべきか。大衆文化の遺産を社会全体でいかに共有し管理していくかという議論は、法整備の遅れとも相まって2026年現在の重要な法学・文化学的トピックとなっている。