旅の過程そのものが、すでに祈りの一部となっている。国吉駅へと向かういすみ鉄道は、四季折々の風景を窓いっぱいに映し出す移動型のテラスのようだ。春には黄色い菜の花と桜のトンネルが線路を包み、夏には青々とした稲穂が風に揺れ、秋には黄金色の絨毯が広がる。
2026年の持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)の潮流の中で、マイカーではなく列車に揺られて参拝するスタイルが若い世代を中心に再評価されている。スマホをバッグにしまい、窓の外の田園風景をただ眺める。駅から神社までの徒歩十数分の道のりも、地域の暮らしや古民家の風情を感じられる心地よいプロムナードとなる。