なぜ、彼らの分析はこれほどまでに精度を上げているのか。理由は明確だ。かつてはプロの特権だった「トラックマン」や「ラプソード」といった投球・打球データの解析結果が、一部ながら一般にも開示されるようになったからである。高校野球や大学野球の有料配信が増え、地方大会の映像すら手軽にスマホで視聴できる環境が整ったことも大きい。
彼らは単に「球が速い」「よく飛ぶ」といった抽象的な表現を使わない。「奪三振率」「BB/9(与四球率)」「OPS」といったセイバーメトリクスの指標を用い、選手の将来性を冷徹にグラフ化する。スカウトが視察に行けないような雨の日の地方球場の試合すら、誰かがネット配信のキャプチャをアップロードし、フォームの崩れを指摘し合う。もはやそこは、アマチュア野球の巨大な査定機関と化している。