福山市民球場(竹ヶ端運動公園野球場)は、地元球児にとってもファンにとっても特別な聖地だ。週末の地区予選になれば、メインスタンドには朝早くから熱心な高校野球ファンが詰めかける。内野スタンドを埋め尽くす市民の熱気と、カクテル光線に照らされた黒土のグラウンドが独特のライブ感を作り出す。
地元の定食屋で交わされる会話も、この時期は球児たちの噂一色になる。「あそこの2年生左腕のキレがヤバい」「今年の福山商の機動力は本物だ」。街全体がチームを支え、スタンドからの大声援が土壇場での逆転劇を生み出す原動力となっている。福山の野球文化は、地域社会の息遣いそのものだ。