社会の意識変革を加速させた要因として、ポップカルチャーとメディアの影響も見逃せない。タレントの田中みな実が体現するような、「自立した個を持ち、美意識とキャリアを磨きながら、妥協せずに自分の生き方を選択する姿」は、アラフォー世代の女性たちに強烈な共感と勇気を与えた。「結婚していないこと」をマイナスと捉える旧態依然とした価値観は、彼女のようなアイコンの登場によって完全に上書きされたと言っていい。
さらに決定的な衝撃を与えたのが、Netflixで世界的なヒットを記録した恋愛リアリティ番組『あいの里』の存在だ。35歳から60代までの男女が古民家で共同生活を送り、人生の喜怒哀楽や過去の傷を抱えながら本気の恋を探す姿は、従来の若者向け恋愛リアリティ番組とは一線を画した。視聴者はそこで、幾多の試練を乗り越えてきた大人だからこそ分かち合える深い情愛と、年齢を重ねても色褪せない人間的な魅力を目撃したのだ。大人の恋愛と結婚は、今や「痛々しい苦闘」ではなく、極めて魅力的な人生の第二章として捉え直されている。