歴代の大将たちと元ネタとなった俳優陣の対比、そして作品に散りばめられた隠されたオマージュを一覧で俯瞰すると、その緻密な構造が浮き彫りになる。
【歴代海軍大将とモデル一覧】
・青キジ(クザン):松田優作(代表作『探偵物語』『蘇える金狼』)
・赤犬(サカズキ):菅原文太(代表作『仁義なき戦い』『現代やくざ』)
・黄猿(ボルサリーノ):田中邦衛(代表作『仁義なき戦い』『北の国から』)
・藤虎(イッショウ):勝新太郎(代表作『座頭市』『兵隊やくざ』)
・緑牛(アラマキ):原田芳雄(代表作『浪人街』『竜馬暗殺』)
物語が最終章へと突入する過程で、彼ら大将たちの立ち位置は劇的な変化を遂げている。クザンが海軍を離脱し黒ひげ海賊団の一員となった背景や、サカズキが元帥として世界政府上層部(五老星)との政治的軋轢に苦悩する姿は、かつて昭和の映画スターたちが演じた「組織と個人の相克」そのものだ。
単なるビジュアルの借用にとどまらず、彼らの辿る運命や内面的な葛藤にまで昭和の名優たちのパブリックイメージが織り込まれている点こそ、尾田栄一郎が仕掛けた最大の仕掛けと言える。