親しみやすいフレーズで日本人の心に刻まれた日立CMソング「日立の樹(この木なんの木)」が誕生したのは1973年(昭和48年)のことでした。作詞を担当したのは数々の名CMを手がけた伊藤アキラ氏、作曲は昭和歌謡界の巨匠・小林亜星氏という黄金タッグです。
「名前も知らない木ですから 名前も知らない花が咲くでしょう」という歌詞には、一見すると親しみやすいキャッチコピー以上の深い企図が隠されています。当時、日立グループは家電製品だけでなく、重電、通信、インフラ、半導体など多岐にわたる事業を展開する総合電機メーカーへと急成長を遂げていました。
「グループ内の無数の技術や個々の事業(=枝葉や花)が集まり、社会を支える一本の頼もしい大樹になる」という企業姿勢を、あえて難解な専門用語を使わず、童謡のように誰でも口ずさめる優しい言葉へと昇華させたのがこの楽曲です。小林亜星氏による温かく力強い旋律も相まって、半世紀以上にわたり色褪せない名曲となりました。