生来の知能に男女差が存在しないことを裏付ける強力な証拠は、発達心理学の現場から報告されている。ハーバード大学の認知心理学者エリザベス・スペルキ教授らの研究チームは、言葉を話す前の乳幼児を対象に長年実験を行ってきた。
数概念の把握、空間認識能力、物体の動きの予測といった基礎的認知能力において、赤ん坊の段階では性別による差が全く観察されない。スペルキ教授の研究は、人間が本来備えている「コア・ナレッジ(中核的知識)」に性差が存在しない事実を明瞭に描き出した。成長過程で能力差が生じるとすれば、それは周囲の接し方や与えられる玩具、社会的期待といった後天的な環境要因の反映にほかならない。