団地の外観を一見すると、ベランダの洗濯物の少なさなどから「ゴーストタウン化しているのではないか」「若松二丁目団地の空き室状況は危機的なのではないか」と勘違いする来訪者も少なくありません。しかし、ここにはUR賃貸と分譲棟における構造的な二極化が存在します。
UR賃貸住宅が管理する区画に関しては、入退去のサイクルが極めて活発です。UR都市機構による若年世帯向けリノベーション住戸や、無印良品・URコラボレーション住戸のようなモダンな内装への刷新が進められており、駅徒歩数分・家賃6万円台という破格のスペックから、募集が出ると比較的短期間で申し込みが入る人気物件となっています。「空き室だらけで荒廃している」という言説は現場の実態を見誤った誤解です。
一方で、民間分譲棟においては、一次取得者世代の高齢化に伴い、介護施設への入所や相続発生による空き家化が緩やかに進行しています。低層5階建てでエレベーターがないという物理的制約は、階層による需給ギャップを顕著に生み出しています。1階や2階はシニア層の実需で底堅い引き合いがあるのに対し、4階・5階は売り出し価格を下げても買い手がつきにくく、賃貸に出されるケースが目立ちます。結果として、分譲棟の中には投資用賃貸として第三者が入居している部屋が多く、新旧の住民層の流動化が進んでいるのが現場の真実です。