すべての視線が微笑ましいコミュニケーションであるとは限らない。時には、体調の急変や神経系のトラブルを示す切実なSOSである場合がある。
特に注意しなければならないのは、飼い主の顔を見つめているものの焦点が合っていなかったり、部屋の何もない空間の一点をじっと見つめたまま動かなくなったりする症状だ。シニア期(10歳以上)を迎えた猫にこうした行動が見られる場合、認知機能低下症(猫の認知症)の初期段階である可能性が指摘されている。
さらに、高血圧や甲状腺疾患、あるいは視力低下などの身体的トラブルを抱えている場合、不安感から飼い主を追うようにじっと見つめ続けるケースも報告されている。「最近、視線がどこかぼんやりしている」「名前を呼んでも目が合わない」「見つめながら低く鳴き続ける」といった違和感を覚えたら、単なる癖だと自己判断せず、速やかに獣医師へ相談することが推奨される。