福岡市主導の再開発構想である天神ビッグバンプロジェクトによって、天神地区のスカイラインは劇的な変化を遂げている。近隣に新たなオフィスや複合ビルが林立する中、株式会社博多大丸が掲げるビジョンは極めて明確だ。それは、無機質なビル群の拡張とは一線を画す、温もりのある文化発信拠点の形成である。
J.フロント リテイリング株式会社のグループ中核企業として、また株式会社大丸松坂屋百貨店と連携を深める同社は、百貨店・小売業の枠組みを軽やかに越境し始めた。周辺の商業施設・都市型SCと有機的に競合・共鳴しながら、街全体の回遊性を底上げしている。大丸の礎を築いた下村正太郎が唱えた「先義後利」の商人精神は、現代の都市再生の思想と見事に結びつき、次世代の都市インフラとしての役割を果たしている。