京都の甘味処といえば丸い団子を連想しがちですが、梅園の代名詞は細長い直方体の「四角いみたらし団子」です。当時の店主が「舞妓さんやおちょぼ口の女性でも、口元を汚さず一口で上品に食べられるように」と考案した形状は、単なるデザインではなく京都の花街文化に根ざした機能美そのものです。
行列を生み出す第1の理由は、注文が入るごとに直火で焼き上げる圧倒的な香ばしさにあります。鉄板でしっかり焼き目をつけた団子は、外側がわずかにカリッとし、中は驚くほどモチモチとした弾力を保っています。
第2の理由は、昆布出汁をベースに上質な醤油と砂糖で煮詰めた秘伝の葛ダレです。甘すぎず、醤油のコクがキリッと引き立つタレが、四角い団子の平らな面にたっぷりと絡みつき、口に入れた瞬間に絶妙な甘じょっぱさが広がります。
そして第3の理由が、昭和初期の町家情緒を今に残すノスタルジックな空間体験です。間口が狭く奥行きが深い「鰻の寝床」スタイルの店内は、河原町通の喧騒を忘れさせる静謐な空気が漂っており、都市の真ん中で京都の原風景を味わえる価値が評価されています。