『時をかける少女 (2006年の映画)』は、監督・細田守の名を世に知らしめ、制作スタジオ・マッドハウスの卓越した作画力とKADOKAWAのメディア展開が見事に結実した金字塔である。思春期特有の身体感覚を捉えたアニメーション表現、疾走感に満ちたカメラワーク、そして奥華子が歌い上げる主題歌「ガーネット」の切ないメロディ。すべてが完璧な調和を保っている。
物語の推進力となるのは、取り返しのつかない日常への執着だ。プリンを食べられた、カラオケを延長したい、テストで満点を取りたい。そんな他愛もない欲求のために乱用されるタイムリープ。この日常の軽やかさと、後戻りできない不可逆な時間という残酷なコントラストこそが、秀逸な青春映画としての推進力になっている。