影響は個人間のトラブルにとどまらない。金融業界や先端技術を扱う企業では、社内へのスマートグラス持ち込みを全面的に禁止する動きが急拡大している。ある大手証券会社のセキュリティ担当者は「フロアを歩くだけで他人のPC画面や顧客データが自動解析されてしまうリスクを排除できない」と明かす。
従来のカメラ付きスマホであれば「掲げる」動作で撮影を検知できた。だが、普通のメガネと区別がつかないフレームを装着しているだけの人物を常時警戒するのは物理的に不可能に近い。企業秘密の流出を恐れる経営陣と、利便性を追求する現場との間で溝は深まる一方だ。