建物を支えるのは木材だけではない。鳳凰堂を囲む「阿字池(あじいけ)」の水質と護岸の維持には、膨大な労力が注がれている。宇治川からの導水管理、泥の浚渫、そして外来種への対策。水面が濁れば、逆さ鳳凰の美しさは一瞬で損なわれてしまう。
庭園技師たちは季節ごとの水草の繁茂をコントロールし、伝統的な石組みを崩さないよう手作業で泥を掻き出す。地味で過酷な作業だ。しかし、この水が鏡として機能しなければ、浄土庭園としての意味は半減する。自然と人工物がギリギリの均衡で保たれている奇跡に、もっと光が当てられるべきだろう。