NetflixやAmazon Prime Videoといった巨大配信サービスが過去の名作を掘り起こす現在においても、この幻のフィルムがラインナップに並ぶ気配はない。権利関係の複雑さに加え、人権意識や表現規制が厳格化した現代の倫理規定において、当時の演出は極めてリスクが高いと判断されているためだ。
しかし、流通が遮断されたことで皮肉にも作品の神格化が進んだ。海賊版ビデオがアンダーグラウンドで高値取引され、好事家の間では伝説のオカルト映画として語り継がれている。恐怖を視覚化して大衆を揺さぶった昭和のエネルギーは、コンプライアンスで均質化された現代の映像産業では決して再現できない異形の熱量を放ち続けている。