医療機関の受診行動に関する患者コミュニティや知恵袋・SNS上の声を分析すると、「病院に行って大げさだと思われたくない」「もし悪性だったらという恐怖から目を背けてしまう」といった心理的防衛(否認)が受診を遅らせる要因になっている実態が浮かび上がります。特に「痛くもかゆくもないからまだ平気」という誤った認識が手遅れを招くケースが後を絶ちません。
実際の臨床現場において、皮膚科専門医は初期の病変を肉眼だけで判断するわけではありません。光学的特殊拡大鏡である「ダーモスコープ」を用いた非侵襲的な検査(ダーモスコピー検査)を実施します。ジェルや偏光フィルターを用いて皮膚の角層を透視し、真皮上層のメラニン色素の沈着パターン(皮溝優位パターン=良性、皮丘優位パターン=メラノーマなど)を痛みを伴わずに瞬時に判別します。
ダーモスコピー検査の費用は健康保険(3割負担)適用で数百円から1,500円程度(初診料・再診料等を除く)と極めて安価です。麻酔や切開を行うことなく、数分の診察で高い精度のスクリーニングが可能です。ネット上の噂に怯えて自己流の市販薬塗布や針でつつくなどの刺激を与える行為は、かえって病変を刺激し悪化させる重大なリスクがあるため絶対に避けなければなりません。