2026年北中米ワールドカップから本大会出場枠が「32」から「48」へと大幅に拡大され、激戦区として知られる南米予選(CONMEBOL)の出場枠も従来の4.5枠から「6枠+大陸間プレーオフ1枠」へと大幅に緩和されました。常識的に考えれば、ブラジルが本大会出場を逃す確率はゼロに近いと見なされていたのです。
事態は関係者の楽観論を根底から覆しました。予選序盤から攻撃の連動性を欠いたチームは、ウルグアイ相手に0-2の完敗を喫すると、続くコロンビア戦も逆転負け。さらにマラカナンで行われた宿敵アルゼンチン戦では0-1で敗戦。ブラジル代表がワールドカップ南米予選において「史上初の3連敗」、さらには「ホーム予選史上初黒星」という屈辱的な記録を次々と打ち立ててしまったのです。
一時は2026年W杯南米予選ブラジル順位が歴史的低水準となる6位にまで転落し、一歩間違えればプレーオフ圏や予選脱落圏に転落しかねない状況に陥りました。この未曾有の事態を受け、地元有力紙『Globo』や海外主要メディアが一斉にブラジル代表ワールドカップ予選敗退危機と煽り立てたのは、単なるゴシップではなく数字に裏打ちされた真の警鐘でした。
予選の混迷に拍車をかけたのが、迷走を極めたサッカーブラジル代表監督問題の真相です。カタール大会後に名将チーチが勇退した後、ブラジルサッカー連盟(CBF)のエドナルド・ロドリゲス会長は、レアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ監督を招聘するという非現実的なプランに固執しました。その場しのぎとしてフルミネンセの監督を兼任するフェルナンド・ジニスを暫定指揮官に据えたものの、極端なポゼッション重視戦術(関係主義)は代表チームの短い活動期間では浸透せず、守備の崩壊を招きました。
意中のアンチェロッティがレアル・マドリードとの契約延長を選んでプランが完全に破綻すると、CBF幹部の内紛や会長解任・復権騒動といった政治的混乱まで勃発。最終的にサンパウロFCを率いていた実務派のドリヴァル・ジュニオールを新監督に据えて火消しを図る羽目になりました。組織のガバナンス崩壊がピッチ上の選手たちに深刻な迷いを与え、南米予選の失速を決定づけたことは動かしがたい事実です。