問題となるのは、これまで車を所有しておらず新規に保険を契約するケースや、世帯で2台目として増車するケースです。この場合、前述の自動担保特約は使えないため、公道を走る前に新規契約を完了させて補償を開始させなければなりません。
近年はダイレクト型(通販型)自動車保険の台頭により、スマートフォンから短時間で申込手続きを完了できる環境が整っています。しかし、保険会社によって「即日補償開始(当日中の保険開始)」に対応しているかどうかの基準は明確に分かれています。
ネット通販型自動車保険の多くは、システムの不正防止や不正受給対策として「インターネット上の手続き完了日の翌日午前0時以降」を補償開始日時とするルールを標準としています。そのため、納車当日に焦ってスマートフォンのWeb画面から新規加入を試みても、「補償開始は明日から」という表示が出て当日運行には間に合わないトラブルが頻発しています。
納車当日に新規で補償を開始させたい場合の最も確実な裏ワザは、「購入先のディーラーや中古車販売店が扱っている代理店型保険にその場で加入すること」です。ディーラーは大手損害保険会社の専任代理店資格を持っているケースがほとんどであり、店頭の業務端末からリアルタイムで保険会社へデータを送信することで、契約締結の印鑑や電子署名を行った瞬間から補償を有効化できます。通販型に比べて年間の保険料は数万円ほど高くなる傾向にありますが、無保険の危険をゼロにして安全に乗って帰るための代償としては極めて合理的です。
また、車検証の原本やコピーが納車直前まで手元に届かないケースでも、事前加入手続きを進めるテクニックがあります。中古車販売や登録業務の現場では、登録前であっても「車台番号(完成検査証や登録準備書類に記載)」と「型式」「初度登録年月」が判明していれば、保険会社に仮申込や登録準備を受け付けてもらうことが可能です。ナンバープレートの平仮名や一連指定番号が未定の段階でも、担当営業マンに車台番号の通知書面を発行してもらい、保険会社へ事前連携しておくことで、納車当日の書類タイムラグを回避できます。