『サマーウォーズ』が地上波で放送されるたび、X(旧Twitter)上でトレンド1位を独占する現象は、単なる自然発生的なミームにとどまらず、メディアとファンが共に作り上げた文化です。その象徴となったのが、日本テレビやスタジオ地図が展開した「よろしくお願いしまぁぁぁすボタンサイト」をはじめとするインタラクティブな連動企画でした。
放送時間に合わせてカウントダウンが進み、劇中で健二がエンターキーを押すタイミングと完全に同期してスマートフォン画面上のボタンをタップできるこの仕掛けは、数百万回規模のタップ数を記録しました。視聴者はただ受動的に映像を眺めるのではなく、「自分も陣内家やOZのユーザーたちと共に世界を救う一員としてエンターキーを押した」という強烈な参加体験を得たのです。
ネット上の掲示板やSNSコミュニティの反応を検証すると、「仕事で追い詰められたときに心の中で『よろしくお願いしまぁぁぁす』と叫んでエンターキーを押している」「プレゼンの送信ボタンを押すときの定番儀式になった」といった声が数多く見受けられます。フィクションの中の叫びが、現実社会で重圧と戦うビジネスパーソンや学生たちの日常的な気合入れのトリガーとして定着している実態が窺えます。