喜界島を語る上で外せないのが、パプアニューギニアのヒュオン半島に次ぐ世界第2位とされるサンゴ礁の隆起速度だ。島全体が階段状のサンゴ礁段丘で構成されており、過去10万年の地球環境や海水温の変動データが地層の中にそのままアーカイブされている。
国内外の気候変動研究者や地質学者にとって、この島は比類なき天然のタイムカプセルに他ならない。「歩くだけで地球の歴史の断面に手が届く」。ある研究者はこの地形をそう表現した。海岸沿いには荒々しくも美しい隆起サンゴの奇岩が連なり、波が穿った潮吹き穴からは白い水しぶきが勢いよく噴き上がる。大自然の圧倒的なエネルギーを五感で浴びる体験は、都会の日常で鈍った感覚を一瞬で研ぎ澄ましてくれる。