ユリ・ゲラーの「超能力」に真っ向から異議を唱え、そのメッキを剥がし続けたのが、伝説的プロマジシャンであり懐疑主義者のジェームズ・ランディである。ランディはマジック・イリュージョン界の知識を駆使し、ゲラーが披露する現象がすべて手品の手法で再現可能であることを証明してみせた。
最大の転換点は1973年、全米で絶大な人気を誇ったトーク番組『トゥナイト・ショー』での出来事だった。番組側はジェームズ・ランディのアドバイスに従い、ゲラー側が事前に触れることのできない自前のスプーンや容器を用意し、厳重な監視下で本番を迎えた。結果は惨敗であった。ゲラーは20分間近くカメラの前で汗をかき続け、「今夜は力が湧いてこない」と弁明するしかなかった。この歴史的な生放送は、制御された条件下で能力を発揮できないという彼の決定的な弱点を全米に晒すこととなった。