当日、東京・渋谷のNHKホールで起きた出来事は、日本のテレビ史に刻まれるレベルの衝撃でした。朝ドラ『おむすび』のステージ進行中、司会者すら登場の具体的なタイミングを知らされていなかった徹底的な秘密主義の中、セット奥から現れたのは紛れもない松本孝弘と稲葉浩志の姿でした。
会場に響き渡った悲鳴にも似た歓声、そしてどよめき。まずは朝ドラのオープニングを彩るイルミネーション紅白歌唱がスタートし、きらびやかで力強いポップロックがホール全体を多幸感で包み込みました。しかし、ファンも視聴者も「1曲で終わる」と思い込んでいたその瞬間、松本のギターが不穏かつ鋭利なリフを刻み始めます。
突如として鳴り響いたのは、日本屈指のミリオンセラー「LOVE PHANTOM」。さらに間髪入れずに投下されたキラーチューン「ultra soul」へのメドレー展開に、客席のみならず審査員席、ゲスト陣までが総立ちとなり、ホールは一瞬にして「LIVE-GYM」そのものへと変貌を遂げました。生放送特有のわずかなマイク音声のバランスの揺らぎすら、稲葉の凄まじい声量とステージングの熱狂が力づくでねじ伏せていきました。
放送中からB'z紅白ネットの反応は沸騰し、X(旧Twitter)では「B'z」「ウルトラソウル」「サプライズ」が世界のトレンド1位から3位を独占。「本物のロックを見せつけられた」「司会者の素の驚き顔がすべてを物語っていた」「大みそかにこの3曲をぶち込んでくるB'zのサービス精神が規格外すぎる」といった絶賛の投稿が1分間に数万件単位で投稿されました。テレビ離れが叫ばれる時代において、生放送の音楽番組が持つ爆発力を鮮烈に証明してみせたのです。