「日本初のコンビニはどこか」という問いに対して、流通の専門家の間でも複数の見解が示されます。結論から言えば、何を基準にコンビニと定義するかによって発祥の地が分かれるのが真相です。
日本初コンビニの有力候補として挙げられる代表的な店舗と、それぞれの歴史的意義を整理してみましょう。
① マイショップ(1969年・大阪府豊中市など)
チェーン展開を見据えた実験店舗として、マイショップ日本最古説を支持する声があります。1969年に実験店がスタートし、1971年頃から本格的なボランタリーチェーンを展開しました。小規模小売店の近代化を掲げた先駆者でしたが、現在のPOSシステムを軸とした集中管理型コンビニとは形態が異なっていました。
② マミー(1969年・東京都練馬区)
一部の資料で日本最古のコンビニスタイルとして言及される店舗です。夜間営業やセルフサービス方式をいち早く取り入れた個人商店型の試みでした。
③ ココストア藤山台店(1971年7月・愛知県春日井市)
日本のコンビニ史において「実質的な日本型コンビニ1号店」として強く推されているのが、愛知県春日井市のココストア1号店春日井(藤山台店)です。石油製品販売大手の盛田小鈴商事(のちのココストア)が、ニュータウン開発の進む春日井市にオープンさせました。インストアベーカリー(店内調理パン)や手作りおにぎりなど、現在のコンビニスタイルの原型をいち早く形にしていた点で、コンビニ1号店発祥の地として愛知を挙げる専門家は少なくありません。
④ セブン-イレブン豊洲店(1974年5月・東京都江東区)
アメリカのサウスランド社とライセンス契約を結び、商品管理、配送網、情報システム、フランチャイズ契約体系を完全にパッケージ化した「本格的近代フランチャイズ・コンビニ」の第1号が、セブンイレブン1号店豊洲です。日本全国へ均一なサービスと物流網を爆発的に広げる基礎を作ったことから、公式な流通史において最大の金字塔として扱われています。
このように、単独店舗としての先駆けを重視するなら「ココストア」、現在に直結する全国チェーンのビジネスモデル完成を起点とするなら「セブン-イレブン」という二大潮流が存在しています。