雪が溶けた倶知安町の建設現場では、今年も巨大な重機が音を立てて動いている。数億円単位のハイエンドコンドミニアムや国際的ラグジュアリーホテルの建設ラッシュは衰えを知らない。しかし、その足元で最も深刻化しているのが、生活用水と地下水の確保、そして生態系への影響だ。
振興局が中心となって進めているのが、森林保全と地下水資源のモニタリング強化である。無秩序な大規模開発は、豊かな湧水で知られる羊蹄山麓の水環境を脅かしかねない。そのため行政側は、開発事業者に対する事前協議の義務化や環境アセスメントの手続きを従来以上に厳格化している。ただ開発を許可する時代は終わった。自然と開発の調和という永遠の難題に対し、現場の審査担当者は連日、海外投資家側の弁護士や設計チームとのタフな交渉を続けている。