日本語を見渡すと、「赤」が付く慣用句は嘘だけにとどまりません。代表例が「赤の他人」です。
「赤の他人」の「赤」も、血縁や地縁が一切ない「明らかな他人」「完全に無関係な人」を指しています。血がつながっていないことを明白に示す「あか」が転じたものであり、構造としては「真っ赤な嘘」と完全に軌を一にしています。同様の表現は以下のように枚挙にいとまがありません。
- 赤恥(あかはじ):大勢の前でさらす、誰の目にも明らかな恥。
- 赤貧(せきひん):財産が何一つなく、極限まで貧しい状態(むき出しの貧困)。
- 赤裸々(せきらら):何一つ隠さず、ありのままをさらけ出す様子。
このように、日本語の伝統的な言語感覚において「赤」は、単なるカラーバリエーションではなく、「純度100%であること」「隠し立てのない決定的な状態」を宣言する強力な接頭辞として機能してきた歴史的背景があります。