米倉涼子の近年の歩みを語る上で避けて通れないのが、低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症・漏出症)との闘いです。2019年に発症を公表して以降、彼女を襲った肉体的苦痛は想像を絶するものでした。脳と脊髄を覆う硬膜から髄液が漏れ出し、脳が下垂することで激しい頭痛、倦怠感、めまい、視力障害、さらにはまっすぐ歩くことすら困難になるという過酷な病です。
2026年には、長年ライフワークとしてきた主演ミュージカル『CHICAGO』のブロードウェイ公演および来日公演を、急性腰痛症および仙腸関節障害による運動機能障害も重なり無念の降板。公の場で見せる明るい笑顔の裏で、「一時は引退や車椅子生活を覚悟した」と後のインタビューや手記で吐露するほどの極限状態に追い込まれていました。
転機となったのは、信頼できる専門医との出会いと、髄液の漏れを塞ぐ硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ)をはじめとする専門的な治療・リハビリの継続でした。2026年後半に行われた映画関連の舞台挨拶では、「治療のおかげで再びまっすぐ歩けるようになり、走れるまでに回復した」と涙ながらに語り、会場から大きな拍手が湧き起こりました。2026年現在、激しいアクションや長時間の過密スケジュールは慎重にコントロールしているものの、日常生活および通常の映像撮影には支障がないレベルまで劇的な回復を遂げています。