かつて「コルク半」と呼ばれたこのヘルメットは、暴走族やヤンキーカルチャーの代名詞だった。ツバ付きの半帽内部にコルク素材を貼り付けた構造は、独特のフォルムと適度な軽さを生み出し、若者たちの集団アイデンティティを象徴していた。だが、2026年の現在、その文脈は大きく塗り替えられつつある。
「最初は親の世代が乗っていた旧車バイクの動画をTikTokで見たのがきっかけでした。あのフォルムがとにかく丸くて可愛いし、人と被らない」
そう語るのは、都内の20代女性ライダーだ。現在、Z世代にとってコルクヘルメットは反骨の象徴ではなく、レトロでエッジの効いたファッションアイテムとして機能している。旧車會(キュウシャカイ)と呼ばれるレトロバイク愛好会だけでなく、原付スクーターや小型二輪に乗る若者たちが日常の移動手段の中でごく自然に被る姿が目立つようになった。