1978年、心不全と呼吸不全を起こしたミノックを病院へ搬送するため、前代未聞の作戦が決行された。彼を自宅から運び出すには、消防士や救急隊員など、総勢12名以上の大人がかりでの作業が必要だった。特製の担架を使い、窓を取り外しての救出劇である。
さらに、シアトルの大学病院に到着してからも困難は続いた。彼を横たえるために、2台のベッドを頑丈に結合した特注のベッドが用意された。寝返りを打たせるだけでも、13人の看護スタッフが息を合わせて行わなければならなかった。一歩間違えれば、彼自身の重みで骨折するか、スタッフが怪我をする。病院全体が、一人の患者の命を繋ぎ止めるために戦場と化した。