みさき公園の運営を担っていた南海電気鉄道株式会社は、事業終了にあたり「全飼育動物の行き先を最後まで責任を持って確保する」という強い方針を打ち出した。テーマパークの閉園に伴い、飼育動物の譲渡先難航が社会問題化することも珍しくない中、同社の迅速な対応と予算措置は、業界内でも高く評価された。
特に体重数百キロに及ぶ大型海洋哺乳類の移送は困難を極めた。全国の水族館ネットワークと連携し、事前の健康チェックや搬送訓練を何度も重ねた。徹底したストレス軽減措置が奏功し、移送後の定着率は極めて高い。ひとつの事故もなく無事に命のリレーが完了した背景には、現場の飼育員と企業側の並々ならぬ執念があったのだ。