流出したプロットの一部を精読すると、本作が単一のジャンルに収まらない異形の傑作であることがよく分かる。息詰まる密室劇の緊張感を持ったサイコスリラーでありながら、壮大な時空の歪みを扱うSF映画としてのスケール感を併せ持っているのだ。
冷徹な音響設計と、色彩設計を極限まで削ぎ落としたモノクロームに近い映像美。観る者の神経を直接逆撫でするような編集リズムは、商業エンタテインメントのセオリーをあざ笑うかのようだ。観客はただ物語を消費するのではなく、提示された謎の迷宮へと強制的に引きずり込まれることになる。