急速な変化の渦中にありながら、小伝馬町には下町特有の温かい生活感が息づいている。早朝、老舗ベーカリーの前に並ぶ近所のお年寄りと、併設されたホステルから出てきた外国人旅行者が自然に挨拶を交わす光景は、今や日常の一部だ。
古くからの住民組織と新しく転入してきた若手クリエイター層との対話も盛んに行われている。秋に開催される「べったら市」をはじめとする伝統的な祭礼には、新旧の住民が一体となって神輿を担ぎ、屋台を盛り上げる。
単なるベッドタウンでも、観光地化されたテーマパークでもない。「暮らす場所」と「働く場所」、そして「遊ぶ場所」が心地よく混ざり合う、理想的な職住近接のモデルケースがここにある。