松原の作品を特徴づけるのは、極めて多層的な素材の組み合わせである。彼のインスタレーションに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは陶芸(セラミック)作品、アンティーク家具、古写真、布地、そして照明機器などの多種多様なオブジェクトだ。
アンティークとファウンド・オブジェクトの再配置
松原は長年にわたり、古い雑誌の切り抜きや蚤の市で見つけた蚤の市由来の骨董品、忘れ去られた生活用品を収集してきた。これらの「発見された対象(ファウンド・オブジェクト)」は、単なるノスタルジーの提示にとどまらない。松原の手によって切断され、組み合わされ、あるいは陶器の台座に置かれることで、本来の用途から解放された純粋な形象へと変化する。
陶芸と光が生み出す揺らぎ
近年特に注目を集めるのが、松原自身が制作する陶芸作品である。うねるような肉厚な造形、不均一に流れる釉薬の色彩、人間や動物の器官を思わせる有機的なフォルム。これらはランプのほの暗い光やキャンドルの揺らめきと組み合わされることで、展示室全体に怪しくも甘美な影を落とす。