法的側面から見ても、フランスの国籍制度は多様なルーツを持つタレントを国代表へと導く土台となっています。フランスの国籍法は、血統だけでなく国内での出生と居住実態を重視する「出生地主義(Droit du sol)」を部分的に採用しています。
外国籍の両親のもとにフランス国内で生まれた子どもであっても、フランス国籍の取得条件として一定期間(11歳以降に通算5年以上など)国内に居住していれば、16歳から18歳に達した時点で自動的あるいは申告によってフランス国籍を取得できます。これにより、移民2世・3世の子どもたちは法的にも完全にフランス国民として社会に組み込まれます。
さらに重要なのがフランス代表の二重国籍ルールと国際サッカー連盟(FIFA)の規定です。フランスは多重国籍を認めているため、選手たちはフランス国籍と祖国の国籍を同時に保持できます。育成年代ではフランスのアンダー代表で英才教育を受け、フル代表を選ぶ段階で「フランス代表を目指すか」「祖国の代表(アルジェリアやセネガルなど)を選択するか」を決断します。
リヤド・マフレズ(アルジェリア代表)やカリドゥ・クリバリ(セネガル代表)のように、フランスで生まれ育ちながら祖国を選択してアフリカの英雄となるトップ選手も多数存在します。フランスという土壌は、自国代表のみならずアフリカサッカー界全体のレベルを底上げする巨大な供給源としても機能しています。