「皮むきの手間を省くために、そのまま皮ごと食べられないのか」という疑問を持つ消費者は少なくありません。結論から申し上げると、柿の皮は食べられるかという問いに対して、衛生面・栄養面ともに「十分に食べられる」が正確な回答となります。
日本食品標準成分表および農芸化学分野の研究報告によると、柿の皮周辺には果肉内部と比較して以下のような高濃度の機能性成分が集約されています。
- β-クリプトキサンチン:強い抗酸化作用を持ち、免疫維持や美肌に関与するカロテノイドの一種。皮直下に豊富。
- 食物繊維:不溶性食物繊維が豊富で、腸内環境の正常化をサポート。
- タンニン(ポリフェノール):生活習慣病予防に役立つポリフェノールが皮近傍に多く含まれる。
ただし、皮ごと食べる際には「残留農薬や汚れを落とすため流水で30秒以上しっかり擦り洗いすること」「完熟前の硬い皮はセルロースが多く消化に負担がかかるため、極薄切りにしてサラダや和え物に混ぜること」が推奨されます。果樹農家の間では、剥いた後の皮を天日干しにして「たくあん漬けの風味付け・甘み出し」や「柿皮茶」として余すところなく再利用する知恵が受け継がれています。