同社の信頼性を国内外で決定的に揺るがせたのが、従軍慰安婦誤報問題である。1980年代から1990年代にかけて、同社は済州島で女性たちを暴力的に連行したとする吉田清治氏の証言を大々的に報道。これが国際社会へと拡散し、日韓両国の外交関係に極めて深い影を落とすこととなった。
専門家や他メディアから証言の信憑性に対する疑問が早くから指摘されていたにもかかわらず、同社は長年にわたり検証を怠り続けた。誤りを公式に認め、過去16本に及ぶ関連記事を取り消したのは、最初の報道から実に32年が経過した2014年8月のことである。確たる裏付けのない証言を信じ込み、異論を排除し続けた姿勢は、調査報道・ジャーナリズムの根幹を揺るがす致命的な失策となった。