副鼻腔炎に合併する中耳炎には、主に「急性中耳炎」と「滲出性中耳炎」の2種類があり、現れる症状や危険度が大きく異なります。
急性中耳炎は、中耳に侵入した細菌が急激に増殖して膿が溜まる状態で、激しい耳の痛み、高熱、拍動性の頭痛を伴います。炎症が限界に達すると鼓膜が破れ、耳から膿が流れ出る耳だれが発生することもあります。適切な初期治療を行えば鼓膜は自然に塞がることが多いものの、激しい苦痛を伴うのが特徴です。
一方、見逃されやすいのが滲出性(しんしゅつせい)中耳炎です。こちらは激痛や発熱がほとんどなく、鼓膜の奥にサラサラまたは粘り気のある液体が溜まる病態です。「耳に水が入ったような閉塞感」「自分の声が頭の中で響く」「音がぼやけて聞こえにくい」といった違和感が続きます。慢性的な蓄膿症を抱えている大人の場合、知らず知らずのうちに滲出性中耳炎へ移行し、中長期的な聴力低下を招く経緯をたどるケースが目立ちます。
また、鼻の中にポリープ(鼻茸:はなだけ)が生じていると、副鼻腔の換気不全が固定化し、耳管の閉塞も長期化するため、耳の症状が治りにくくなります。