別府駅前に降り立つと、陽気な姿で訪れる者を迎えてくれる銅像がある。大正から昭和初期にかけて大分県の観光業を飛躍的に発展させた伝説の実業家、油屋熊八その人だ。彼が掲げた「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」という名キャッチコピーは、今なおこの街の誇りとして息づいている。
湯けむりが立ち上る別府温泉は、豊富な湧出量と多様な泉質を誇る日本屈指の温泉地だ。熊八が拓いたおもてなしの精神は現代の食文化や土産物づくりにも受け継がれており、単なる記念品にとどまらない、歴史のストーリーを感じさせる味わい深い品々が駅構内に溢れている。