炎症反応を正しく理解するためには、検査項目ごとの特徴と病態の時間軸を把握しておく必要があります。
急性炎症と慢性炎症の根本的な違い
急性炎症は、細菌侵入や外傷に対して身体が短期間で集中的に防御を行う反応で、発熱、腫脹、発赤、疼痛といった明確な症状を伴います。一方、厄介なのが慢性炎症です。自覚症状がほぼないまま体内で「くすぶり続けるボヤ」のような状態であり、血管内皮を傷つけて動脈硬化を進め、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、さらには認知症やがんの発症リスクを高める温床となります。
赤沈(赤血球沈降速度)とCRPの違い
炎症マーカーとしてCRPと共によく用いられるのが赤沈(血沈)検査です。両者には明確なタイムラグと特性の違いがあります。
- CRP(C反応性蛋白):炎症発生から約6〜12時間で急激に上昇し、治癒とともに速やかに低下する「即時性・リアルタイム性」に優れたマーカー。
- 赤沈(血沈):血清中のフィブリノゲンやグロブリンの増加を反映するため、炎症発生から数日遅れて上昇し、病状が治まった後も数週間にわたり高値が続く「持続性・経過観察」に適したマーカー。膠原病の活動性評価などに多用されます。