法医学研究において長年指摘されている興味深い事実があります。腹上死を起こした男性の実に半数以上が「配偶者以外のパートナー(不倫相手・愛人・風俗など)」との性交渉中であったというデータです。
自宅で長年連れ添ったパートナーと行う性行為に比べ、ホテルや不慣れな場所で秘密裏に行う行為は、「バレてはいけない」という心理的葛藤や罪悪感、相手を満足させたいという見栄や過度な緊張を生みます。この強烈な精神的ストレスがアドレナリンの分泌を過剰にし、血圧と心拍数を通常以上に跳ね上げる大きな要因となります。さらに、直前の豪華な食事や多量の飲酒が重なることも心臓への負担を倍増させます。
また、中高年層の利用が増えているED治療薬(バイアグラ、シアリスなど)の取り扱いにも注意が必要です。ED治療薬自体が直接死を招くわけではありませんが、薬の効果によって「本来の心臓の体力を超えた過度な運動」を行ってしまう危険性があります。何より危険なのは、狭心症の治療薬である硝酸薬(ニトログリセリンなど)との併用です。この2つを同時に摂取すると急激な血圧低下(ショック状態)を引き起こし、心停止につながるため絶対に避けなければなりません。