世界的なバレリーナとして脚光を浴びた草刈民代が、なぜ裸体という極限の表現形態を選び取ったのか。その真相を探るには、彼女が自身の「身体」をどのように捉えていたかを紐解く必要がある。
バレエの世界において、身体は感情や物語を雄弁に物語る唯一無二の楽器である。彼女にとって肉体を露出することは、私的なプライベートを切り売りする行為ではなく、舞台上での演技と地続きにある純粋な表現活動にほかならなかった。世間の好奇の視線を一蹴するかのように放たれた圧倒的な美の佇まいは、観る者に「裸」という言葉の概念そのものを塗り替えさせたのである。