事件が発生したあの日、常磐自動車道で起きた事態は凶行そのものだった。加害者である宮崎文夫は、高級外車を駆り、前方を走るトラックや乗用車に対して異常な車間距離の詰め方と蛇行運転を繰り返した。強引に停車させられた被害者は、窓越しに何度も顔面を殴打された。その傍らで、同乗者の喜本奈津子が一連の暴力行為をスマートフォンや携帯電話で淡々と撮影し続ける光景は、人々に言葉を失わせる気味悪さを残した。
事件発覚後、茨城県警察は直ちに本格的な捜査へと乗り出し、男を全国指名手配した。しかし、容疑者の足取りは極めて巧妙かつ身勝手な潜伏工作によって眩まされた。大阪、神奈川、愛知と拠点を転々とし、レンタカーを乗り継ぎながら追っ手を逃れようとした逃亡劇。潜伏先のマンション周辺には張り詰めた緊張感が漂い、捜査員が包囲網を狭める中、最終的に大阪市内で身柄が確保された。逮捕の瞬間まで自らの正当性を叫び続けたその姿は、全国の社会ニュース・事件報道において連日トップで報じられた。